男性ボーカル、女性ボーカルの「平均的歌唱音域」

※ボーカルさんではなく楽曲製作者向けの記事です。

歌える!作詞・作曲 | 歌モノ楽曲の作り方(1)
イベントやら依頼やらで忙しく、だいぶ時間が空いた更新です。なるべく暇を見つけて書いていこうと思います…。 さて、皆さん歌モノっ...

以前上記の記事で、ボーカルの音域について軽く触れました。

アクセス解析を見るとやはりボーカルの音域で悩む方は多いようですね。

感覚で分からないなら定量的な基準で覚えるしかないと思います。「平均的歌唱音域」=「安定して歌える音域」が分かれば初めて歌モノを作る人でもキー設定がしやすくなるはず。

そこで、今までの制作経験からボーカルの「平均的歌唱音域」について考えてみました。

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基礎知識

音域を語る上で知っていて欲しい声の基礎知識があります。

声色の種類

僕は下表のように覚えてます。

種類 特徴
地声
  • 会話と同じ声
  • 芯が太い
  • 歌詞が聞き取りやすい
  • 高い音は出しにくい
ファルセット
  • いわゆる裏声
  • 芯は細い
  • 歌詞が聞き取りにくい
  • 地声より高い音が出せる
ミックスボイス
  • 地声に近い裏声の出し方
  • 地声のような力強さで高音域を出せる

その他、胸声だとか頭声だとかいろいろ分類方法はあるみたいですが、DTMerはこれくらいで十分かなって。

個人差

男女間で出せる音域に差があるのは言うまでもないですが、

同性間でも体のつくりによって個人差があります

一般的に身長の高い人は声帯も長いことから声が低くなるそうです。

「身長と声の周波数が比例する」ことをファントの法則という…らしいですが明確なソースが見つからないのでちょっと怪しいですね。

ちなみに喉の筋肉を鍛えて声帯を張れるようになれば高い声は出せるようになるけど、声帯を最大に緩めても音が出なくなるだけなので低い声は訓練しても出しにくいそうですよ。

「平均的歌唱音域」はどこなのか

条件

その前に、「平均的歌唱音域」の条件を考えます。

ボーカルの習熟度

当然、訓練を受けたボーカリストと一般人のカラオケを比べると綺麗に出せる音域には雲泥の差があります。

音楽制作に関わらない一般人や含めた平均を考えても仕方ないので、今回のターゲットは「歌唱の依頼が受けられるレベルのボーカリスト」とします。

高域のファルセット、ミックスボイス

展開ごとに適切な音域があるので常に高ければ良いというものではありませんが、基本的にはサビで高い声が出た方が高揚感が生まれると思います。

また、ファルセットやミックスボイスの声色の変化は音楽的にも大変美しいので、これ使わないのは勿体無いです。

依頼を受けているようなボーカルさんは男女ともにファルセットやミックスボイスもある程度は綺麗に出せると思いますので、高音部については「多少ファルセットやミックスボイスにもかかる音域」とします。

ジャンル

一般的なポップスとします。(僕がよく作っているようなやつ)

特殊な発声技法は使わず、大部分を地声で力強く歌うものとします。

音符の長さ

高域が安定しなくても音符が短ければ短いほどごまかしがききやすくなります。

今回は「最高音の長さが2拍くらいのメロディ」を想定します。

発声できる限界の音≠歌える限界の音

発声上で出すことのできる上限・下限に近い音はピッチや声色的に安定しません。

今回は余裕を持って安定した声で歌える範囲とします。

音域

次のように女性ボーカル、男性ボーカル、それぞれ考えてみました。

女性

女性ボーカル曲はたくさん製作してきたので、経験則で考えてみたところ次のようになりました。

最高音:hiC (C5)

最低音:mid2A (A3)

スクリーンショット 2016-08-31 0.16.16

高域について

hiCくらいならみなさんわりと地声で歌ってくれます。

声が低めの人もミックスボイスやファルセットで安定して出せると思います。hiD#あたりになると安定して歌える人は少なくなってきます。

低域について

mid2Aくらいなら高めの声の人でも無理なく出せるんじゃないかなと思います。

高音を意識するあまり低音に意識がいかずAメロで低くしすぎて安定してないなぁって経験が実は結構あるんですが、これより下の音でした。

男性

男性ボーカル曲の製作経験は乏しいですが、幸い自分が男なので歌いながら考えてみて次のようになりました。

最高音:mid2G# (G#4)

最低音:mid1D (D3)

スクリーンショット 2016-08-31 0.17.34

高域について

mid2G#なら綺麗に出せるかなと思います。

僕の場合mid2Gくらいからは地声では安定せず、hiAとなると完全にミックスボイスじゃないと出せませんでした。

低域について

mid1Dくらいなら声が高めの人でもだせるかなと思います。

僕は声が低い方なのでlowG#くらいまでは安定して出せます

最近の自作曲は

ここ最近の自作曲の最高音と最低音を調べてみました。全て女性ボーカルです。

曲名 最高音 最低音
 Reawaken  hiD   mid2B
 恋スル私←New!  hiD  mid2B
 ESCHATLOGY CODA  hiD  mid1G#
 CERASUS  hiF  mid1G
 H.B.D  hiD#  mid2A#

※「平均的歌唱音域」外のものは赤字です。

どうしようはみ出しまくってた…。

最高音は「平均的歌唱音域」のhiCより全音高いhiD周辺が多いですね。基本的に高音ボーカルが好きです。

CERASUSは上下ともに大幅に超えてますね。最高音のhiFは8分音符という短い音符なのでファルセットで歌えてますが、最低音のmid2Gのところは正直ちょっと怪しいかも…。

やっぱり調整は必要

今回提唱した「平均的歌唱音域」に収めておけば多くの場合は安定感のあるボーカルトラックになると思います。鍵盤で音を確認して覚えておきましょう。

しかし、ボーカリストの良さを最大限に引き出すには個性に合ったキー設定は必要になります。僕は制作途中や依頼の段階で「このキーで大丈夫ですか?」と必ず聞いて調整するようにしています。やはり一番おいしい声が出る音域で歌って貰いたいですからね。

おわり

普段ボーカルは一番聞くトラックのはずなのに、感覚で適当にキー設定をしてしまうと全然歌えない音域だったりするんですよね。初の歌モノ作成から「これくらいなら大丈夫だな」と感覚で設定して上手くいくようになるまでに半年くらいかかりました。

歌モノ制作初心者の方はこの記事を参考にボーカルの音域を覚えて貰えればなと思います。

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