ランサムウェアにも対抗!NASを使った安心なファイル管理、バックアップ方法を構築しました

DTMerの皆さん、ファイルのバックアップってどのようにされてますか?

DTMをしているとプロジェクトファイルをはじめ、各種音源データ、人によってはジャケットや歌詞データ、購入したサンプルパックや自作のパッチなどなど…消えると困るファイルが多く存在し、ファイル管理には頭を悩ませていると思います。

今回は、NASを利用した安全・信頼性のそこそこ高いファイル管理・バックアップ方法を構築したのでご紹介します。一つの参考として御覧ください。

なぜファイル管理・バックアップ方法を再構築したか

  • ゲーム制作で管理が必要なファイルが増えたから
  • バックアップ用のHDDがひとつ故障したから
  • ランサムウェアが怖くなったから

正直、ちょっと前からやろうやろうとは思っていたんですが、行動を起こしたのは友人がランサムウェアに感染してしまった事件あったからです…。他山の石とさせていただきます…。

外付けHDDによるバックアップ

以前はLightning接続の外付けHDDでDTM関連のプロジェクトファイルはすべて手動で管理していました。

外付けHDDは一番シンプルかつコストの低いバックアップ方法だと思います。しかし、それなりのリスクが付き纏います。

襲い来るリスク

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HDD故障

HDDとは回転機構を含む構造からPCパーツの中でも壊れやすいパーツです。

もし、内蔵HDD1台でファイル管理をしていたり、外付けHDDにファイルを移して内蔵HDDからは消すような運用をしている場合、ファイルを消失する確率はかなり高いと言えます。

僕も昔、WindowsでDTMをやっていた頃にHDD故障でプロジェクトファイル全部消えて後から枕を濡らした経験があります。最近こそ最低限のバックアップをしているからないですが…。

ちなみにSSDは出た当初は壊れやすいだのなんだの話されていた気がしますが、最近では書き込み回数に上限こそあれHDDより故障率が低いというのが定説です。

ランサムウェアの脅威

ランサムウェアとは、ざっくり説明すると「コンピュータからアクセスできる全てのファイルを暗号化し、データの身代金の代わりに金銭を要求するタイプのマルウェア」です。

上の方でも書きましたが、今回、バックアップ環境を再構築するまで警戒心を煽ったのは友人がランサムウェアに感染したからなのです。友人は製作中のプロジェクト、音源を失い次回のM3でCDを出せないほどの痛手を受けてしまいました。

復元ポイントなどのバックアップ手段も削除してしまうほど入念なんだとか。本当に恐ろしいものです。

ランサムウェアは外付けのHDDにもアクセスして暗号化してしまうため、私の以前のバックアップ方式ではもし感染してしまうと対抗できませんでした。

そろえたもの

今回、バックアップ環境を構築するにあたって2つ買い物をしました。

NASキット 「QNAP TS-431P

NASを構築するためのキットです。調べたところかなり高機能で人気のモデルらしい。

NAS = ネットワーク越しで使えるストレージ

HDD 4TB

Seagate BarraCuda 4TB x 5個買いました。HDDも安くなりましたねー、4TB ¥7,438ですよ。

正直Seageteに良い思い出はないですが、高信頼性という言葉に釣られました。2年保証だし。

4台はNASに、1台は故障した外付けHDDに入れ替えて使いました。

構成

このような構成になりました。

NASの機能等

RAID

NASにはHDDを4台入れてRAID構成を組みました。

RAIDとは複数のHDDを1つのストレージとして扱い、信頼性やアクセス速度をあげるものです。RAIDには複数種類があり、それぞれ特性が異なります。

RAID – Wikipedia

今回は4つのHDDをRAID5で構築しました。RAID5は全体容量がマイナスHDD1台分となってしまいますが、1台まではHDDが故障しても復旧可能です。これでHDD故障のリスクは多少回避できます。もちろん2台同時に壊れるケースもありますが…。

容量はHDD1つ分引かれた分の10.89TBとなりました。

スナップショット

スナップショットとは、ある時点のファイルの状態を記録し、後から復元できるようするものです。

暗号化されても元の状態に復元できるのでランサムウェア対策に有効とされています。

今回は毎日午前4時にスナップショットを撮るようにしました。

外部HDDに定期バックアップ

NASに接続してある外部HDDに重要なデータ(プロジェクトファイルなど)は自動バックアップします。

こちらはNASの追加アプリのHybrid Backup Syncという機能で簡単にできます。拡張子などでフィルターをかけて必要なものだけバックアップすることもできますよ。便利〜。

毎日3時にバックアップをとるようにしています。これでNASのHDDが2台とも故障したり、NASに対する攻撃にあってしまった場合のバックアップとなります。

PCの自動バックアップ

PC内のデータのバックアップをNASにとります。

Macの場合は純正のTimeMachineという強力なバックアップ機能でマシンまるごと自動バックアップします。

Windowsは専用のNetBak Replicatorというソフトを使うようです。

これでもしPCのHDD壊れても普及できます。

クラウド

これはまだ検討中ですが、クラウドストレージサービスへのバックアップもできます。

現在はすべてのファイルが物理的に家の中にあるため天災、火災、盗難等のリスクがあります。クラウドにバックアップすることでこれらのリスクを回避できます。

ただランニングコストがかかってしまうのが辛いところ…。

運用方法

バックアップとはファイルの保存を多重化することです。今後はこのように運用していきます。

製作中のファイル

絶賛製作中のファイルに関しては、PCローカルのストレージに入れておきます。この間はPCの自動バックアップ機能が働いているため、NASとローカルストレージの双方にデータがあり多重化されています。

制作が終わったファイル

PCローカルのストレージも無限にはないので、制作が終わったファイルに関してはNASに保存します。NASは毎日外部HDDにバックアップをとっているので、NASと外部HDD双方にデータがあり多重化できています。

セキュリティ対策は完全に

今回、個人用としてはかなり安心できる環境を構築できたと思いますが、それでもまだまだリスクは付きまといます。

特に直近でNASを狙うランサムウェアも出回っているようなので、もしNASをインターネットに公開する場合はメーカーのセキュリティ情報を見て適切なセキュリティ設定をすることを強くお勧めします。

今回使用したQNAPのセキュリティ情報はこちらに載ってます。

また、必ずPCにもセキュリティ対策ソフトを導入するようにしましょう。

まとめ

今回、そこそこお金と時間をかけてこの環境を構築しましたが、今まで作り上げて来たデータの価値やファイル復旧やランサムウェアの身代金と天秤にかけると安いものだと思います。

しかし、ファイルが消える痛みはいざそうなった時しか分からないですよね…。

安全・信頼性以外にも、NASを使用することによってマルチメディアの管理やファイルの受け渡しなどクリエイターにとって嬉しい機能も多いです。是非おためしあれ。

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