イベントやら依頼やらで忙しく、だいぶ時間が空いた更新です。なるべく暇を見つけて書いていこうと思います…。
さて、皆さん歌モノって作ってますか?
僕は2011年頃からボーカル曲を作り始めて4年ほどになります。
手間暇は掛りますが、もともとJ-POPやアニソンは大好きですし、ボーカルさん、作詞家さんと共同で制作することも多いので、作っていてとても楽しいジャンルだと思います。
僕の周りのインストジャンルを作る方も、話を聞くと「ボーカル曲も作ってみたい!」と思っている人も実は多いようです。
そこで、ボーカル曲を作るときに僕がやっていること、気を付けていることなどを複数回に渡ってまとめてみたいと思います。
第一回目の今回は作詞・作曲編ということで、
「歌える曲」
を作るシーケンスから書いていきます。
歌える曲を作る
インスト曲とボーカル曲の最大の違いは
「人が歌えるメロディ」
にあると思います。
歌えるメロディにするにはインスト曲では比較的自由である音域、息継ぎなどの要素に制約がつきます。
また、「歌える」と言っても歌い辛ければボーカル本来良さの発揮できません。
ボーカルに合わせて貰うのではなく、
曲をボーカルに合わせて作る
ことが高クオリティなボーカル曲を作る鉄則だと思います。
音域
人間の歌声には歌唱可能な音域というものがあります。
男性は低い音域、女性は高い音域。あたりまえのことですね。
しかし、意外なことにボーカル曲を作らない人は「具体的に○○~××あたりまで」と理解してないことが多いです。
音域については音域.comさんの説明書ページで分かりやすく説明されています。
音域.com – 説明書
まずは一般的な男性ボーカル、女性ボーカルの音域を具体的に覚えておいてください。
勿論、音域はボーカルによって個人差があります。
あらかじめ歌ってもらうボーカルが決まっているのであれば、歌える音域を聞いたり、過去の曲から得意音域を分析したりします。
また、曲が出来上がってからボーカルが決定する場合は事前の打ち合わせで音域が合うか確認し、場合によってはキーを変えることもあります。
キーやメロディについて、作曲家的には妥協することもあるかもしれません。
が、良い音源を作る上でなによりも大切だと思うのは
一番おいしい音域で歌って貰うこと
だと思います。
失敗談
失敗例として2011年にBMSとして発表した拙作「Melody / TiS feat.きゃと」を挙げます。BMS音源でアレですが…。
初めてのボーカル曲ということで全く女性の音域分かっていませんでした。
結果、インプレにも沢山あるようにサビが相当辛そうな歌になってしまいました。(きゃとさんごめん)
音域を見てみると、最低音がBメロのmid2Bで、最高音がサビのhihiAです。サビが全体的に高すぎる…。
この曲は後に「Melody(90’s pops mix) / TiS feat.きゃと」(sequence to the destination収録)としてセルフアレンジしました。
メロディの形は原曲と一緒ですが、平メロは半音下げて高すぎたサビを完全4度転調しました。
その結果、最高音はhiC#となりだいぶ聞きやすいボーカルとなっています。
このように転調を使って全体のメロディ音域を狭めるのもボーカル曲では使えるテクニックですね。
息継ぎ
管楽器も一緒ですが、人間の歌声も呼吸を使うので連続的に音を出せる長さには限界があります。
実際歌ってみると分かりますが、息継ぎが少ない曲は苦しい声になったり弱弱しくなったりします。
また、歌とは関係なくなりますが、メロディにスキマが無いとオケに旋律的なアプローチを入れ辛くアレンジし辛くなります。
鼻歌でもいいので自分で歌ってみて辛い場合は意識してメロディにスキマを入れてあげましょう。
ハモリをつける
リードメロディが出来上がったらハモリをつけます。
ジャンルによってハモリなしの方がいいという場合もあるかもしれませんが、一般的なポップスの場合メロディラインをリッチにするためにハモリは必須といえると思います。
シンプルな2声の場合、3度下ハモリでいいでしょう。
サビなど盛り上がる部分で3度上を入れるとより響きがリッチになります。
3度ハモリの作り方は下記の動画が分かりやすくて良かったです。
その他、解説は割愛しますが「アプローチ」というものを使ったジャジーな3声、4声のハモリもあります。難しくて全然使えてないです。
最初から最後まで上下3度ハモリを入れるのではなく、メロディの形や音程に合わせて抜きさしして雰囲気にメリハリをつけると効果的です。
世の中にはボーカル曲を作る作曲家でもハモリを作るのを怠ってボーカルさんに任せる方が居るようですが、ハモリを作るのは完全に作曲・編曲の領域です。
ボーカルさんに任せて不協和音になっているような曲は目も当てられません。
必ず自分で作りましょう。(勿論、ボーカルさんが音楽的知識を持っていてハモリが作れる場合は別です。)
歌詞
やはり作曲と全くの別分野なので一筋縄ではいかない人も多いようです。
作詞活動をされている方に依頼するのもアリでしょう。
僕もだましだまし作詞してる身ですが、気を付けているのは「口に出して発音しやすく、音としてもきれいな言葉を選ぶ」ことです。(作曲家寄りの視点から良い歌詞を書こうとしています。)
あと、言葉の文字数や雰囲気が合わない場合はWeblio類語辞典で同義語を調べて入れ替えたりしてます。
語彙が無い人は辞書片手に作詞するのは基本ですね…。
余談ですが、ボーカルさんに依頼する際に歌詞と仮メロディ音源だけ渡す人が結構居るみたいです。
エスパーじゃないんだから歌詞とメロディだけ見て作詞家が意図した譜割りなんて分かるわけがありません。
齟齬が発生しないように作詞した人が必ず仮歌を録りましょう。
※譜割り=音符に対しての歌詞の割り当て
と結構気を付けないといけないところが思いのほか沢山ありますが、これらを抑えておくとインスト曲しか作ったことのない作曲家でも「歌える曲」が作れてしまうんじゃないでしょうか。
次回は「ボーカル起用編」ということでいよいよボーカルさんが関わってきます。また時間がかかってしまうかもしれませんがお楽しみに!
