シンセサイザーの擬音の代名詞と言ったらなんでしょうか。そうですね「ピコピコ」ですね。
こういうのです。8bit世代のお姉さんお兄さんには懐かしい響きですね。
このような16分音符以下の短い間隔で音符を並べて奏でるフレーズをシーケンスフレーズと呼びます。
コードをバラして弾くアルペジオ(分散和音)として使われる場面が多いですが、メロディからリフ的なアプローチまで幅広く応用できます。
その役割は、他の楽器の音と音の間を埋めたり、疾走感を出したりする効果があります。
シンセサイザーを多用するクラブミュージックは勿論、ポップス、アニソン、最近ではロックなんかでも聞くことができますね。目立たなくてもよく聞くと後ろの方で鳴ってたりします。
今回はそんなシーケンスフレーズの打ち込みについて書いてみたいと思います。
目次
5つのコツ
打ち込みや音作りについてコツがあります。
1.アルペジエーターは基本使わない
シンセサイザーにはアルペジエーターというものが付いていることがあります。最近はDAWにも付いてたりします。
アルペジエイターを使うと、音を出したら即アルペジオが出てきます。
コード打ち込んでるだけなのに
こういう音が出てくる。
とても便利に見えますが、殆どのアルペジエーターは単純な登り下りかランダムなフレーズしかできません。フレーズを直接打ち込める高機能なアルペジエーターもありますが直接ピアノロールで打ち込んだ方が早いです。
という訳で僕はアレンジ中でアルペジエーターを使ったことがありません。
2.音色はなんでもいい
多いのはやはりシンセサイザー系の音色です。
「Arpeggio」とか「Sequence」という名前のついたカテゴリは16分以下のフレーズを想定して作られているのでやはり使いやすいです。
これらのカテゴリの音色はデフォルトでアルペジエイターが有効になってることも多いので注意。OFFにしましょう。
でも実はアタックが早い音色ならなんだっていいのです。
リードでも、ベースでも、はたまた生系の楽器でもハマる時があるのでいろいろ試してみてください。
3.音符の長さ・リリースの長さに気をつける
どんな楽器の打ち込みでも言えることですが、音符の長さとリリースの長さはノリに関わってくるので常に意識しないといけません。
同じ音色で音符の長さを変えて打ち込んでみました。前半2小節が16分音符めいっぱいの長さで、後半2小節が半分の32分音符の長さです。
同じ音色なのに全然違う印象を受けますよね。
シーケンスフレーズは短く歯切れよく鳴らした方がかっこいいことが多いです。
4.連続的変化をつける
シーケンスフレーズは同じフレーズを繰り返すことが多いので単調感を感じてしまうことが多いです。
これを解消するために連続的に音を変化させるエフェクトが相性が良いです。具体的にはフランジャー、フェイザー、フィルターなど。
こんなフレーズを打ち込んでみました
おなじフレーズの繰り返しでちょっと単調ですね。
これにフランジャー、フェイザー、オートフィルターをかけてみます。
-フランジャー
-フェイザー
-オートフィルター
どんどん音が変わっていくので単調さが少しごまかせたと思います。
フィルターはシンセのフィルターを動かすのも効果的です。
5.ディレイをかける
シーケンスフレーズはディレイとも相性が良いです。
元の音とディレイ音がぶつかるので複雑な響きになったり、音像を横に広げることができます。
先ほどの単調なフレーズに8分ピンポンディレイをかけました。
先ほどよりリッチな印象を受けると思います。
4つの打ち込みバリエーション
シーケンスフレーズと一言に言ってもいろいろバリエーションがあるんです。
説明用にリズム隊とコードだけの曲を簡単に打ち込んでみました。
はい、趣味全開ですね。
コード進行はF△7-G-Em7-Am7となってます。いわゆる4536進行です。
1.単純にコードを奏でる(アルペジオ)
一番スタンダードなシーケンスフレーズです。
コードトーン(コードの構成音)を弾くだけ。F△7だったらF△7の構成音(ファ、ラ、ド、シ)のみを弾きます。
紫がコードトーン、赤が打ち込んだ音符です。
複雑に聞こえてコードトーンしか鳴らしていないのが分かります。
2.ルートと5thでベースの補強
コードトーンのうちルート音と5度の音を弾きます。ギターで言うパワーコードですね。
赤がルート音、緑が5度の音です。
短めの音符で歯切れよく打ち込むのがコツです。
ギターのパワーコードと同じく低域で鳴らしてベースの補強をするイメージですね。
3.テンションを使ったアルペジオ
シンプルな形のアルペジオでコードトーンだけなぞるとダサくなることがあります。
コードの動きによって音域の上下が激しいのがダサいんですね。
これの解決法としてテンションを使ってみましょう。
F△7のときにソの音を鳴らしてます。ソはF△7のコード構成音には入っていませんが使えます。これがテンションです。ちなみにF△7のソは9度というインターバルになります。
これで音域がブレないので自然に聞こえますね。
コードによって使えるテンションは決まっています、使えない音=アボイドを鳴らすと響きが濁ってしまいます。テンションについて詳しくは…ググってね!(とても扱いきれない)
また、ソの音は全てのコードで持続して鳴っています。このようにコードが変わっても特定の音を持続して鳴らすことをペダル・ポイントといいます。
シーケンスフレーズだけではなくギターのアルペジオとかでもよく使います。
4.メロディを奏でる
よくトランスとかで使われる手法です。
まず普通にメロディを作ります。
これを元にシーケンスフレーズを打ち込んでいきます。
紫が元のメロディ、赤が打ち込んだフレーズです。
上の方はメロディをなぞってます。ロングトーンだった部分はたまに装飾音を入れると効果的です。
その隙間にオクターブ下あたりの音域でコードトーンを入れてます。
ちょっと古臭い感じはしますが僕は好きです。古き良きトランス作るときは是非。
おわり
今回紹介したバリエーションを組み合わせて使うアレンジもアリです。
シーケンスフレーズも奥が深いですね。
どうしても細かい打ち込み作業になるので大変面倒なパートではありますが、効果的に使うことで楽曲のクオリティアップに直結するパートですので頑張って打ち込みましょう!
コメント
とても参考になりました
使ってるlead系?の音はlogic付属の音源ですか?
ご覧いただいてありがとうございます!
全てsylenth1で作った気がしますがES2でも同じような音は作れますよ。